目次

音声の記録について


概要

システムの設定

概要

本アプリケーションが動画へ記録する音声は、システム全体の音声出力です。
これには、他のアプリケーションが出力する音声や、MIDI データを音声に変換されたものも含まれます。
例えば、弊社製 DoctorMXSynVisum には、 「音楽プレーヤー」(iTunes、Windows Media Player)に同期してシーンを実行する機能があります。
システム全体の音声出力を記録することで、「音楽プレーヤー」で再生される音声も動画に記録することができます。
また、SynVisum は複数の動画や音声ファイルを同時に再生して混合できますが、実際に出力されている混合結果を、最小限の追加処理で記録できます。



このように、出力結果を入力に戻すことを「ループバック」(loopback)と呼びます。

デフォルト(既定)の出力装置
システムには、デフォルト(既定)の出力装置を設定する機能があります。
(コントロールパネル、システム環境設定などによって)
これは、アプリケーションの音声再生の出力先として使用されるものです。
本アプリケーションが動画へ記録する音声は、このデフォルト(既定)の出力装置からループバックされたものです。
音声を扱う専門的なアプリケーションは、音声の出力先を明示的に指定する機能があります。
ここでデフォルト(既定)の出力装置とは異なる装置が指定された場合、その音声は記録されません。


音声の圧縮方式 について
「PCM」(Linear PCM)は圧縮せず、音質の劣化がありません。
ただし、ファイルサイズは大きくなります。
Windows 版では、AVI 形式のファイルに保存します。
この場合、Windows Media の圧縮方式(WMAudio など)は適切ではありません。
他の方式を使用して下さい。
(MPEG Layer-3、IMA ADPCM など)


ループバックを使用して音声を記録するには、システム側の設定がいくつか必要です。
以下にシステムごとの設定操作を説明します。


Windows Vista 以降

システム自体がループバック機能を提供しているので、設定はとくに必要ありません。
(音声装置の仕様によりません)


Windows XP

コントロールパネルで、デフォルト(既定)の入力装置を指定します。
ここで指定された入力を録音に使用します。



ループバックに相当する機能は、音声装置が提供します。
「ボリュームコントロール」で「録音」のボリュームを設定します。
下図の例では「ステレオミキサー」が、ループバックに相当する入力です。
(名称は装置によって異なります。
「Waveout ミキサー」「ミキサー出力」「What You Hear」など)



ループバックに相当する入力を提供していない音声装置もあり得ます。
その場合は、外部ケーブルを用いて出力を入力に接続することで、ループバックを実現できます。
必要に応じて、分岐ケーブルなどを使用して、スピーカーなどへの出力と分けて下さい。


Mac OSX

ループバックに相当する機能がありませんので、弊社提供の「kuwatec Audio Loopback」をインストールして下さい。
kuwatec Audio Loopback インストーラーをダウンロード

通常の使用では、他に操作は不要です。
以下では、「kuwatec Audio Loopback」を用いた録音のしくみを記します。
必要に応じて参考にして下さい。


kuwatec Audio Loopback の詳細
「kuwatec Audio Loopback」は、仮想的な音声装置として動作します。
出力された音声を、入力側に戻します。

「kuwatec Audio Loopback」がインストールされていると、本アプリケーションは録音にその入力を使用します。
(インストールされていない場合は、デフォルト(既定)の入力装置を使用します)
「kuwatec Audio Loopback」には実際に音声を出力する機能がありませんので、本アプリケーションはその入力を「本来の」デフォルト(既定)の出力装置に出力します。



「動画設定」ー「音声も記録」を選択すると、「kuwatec Audio Loopback」を「デフォルト(既定)の出力装置」として設定します。
これにより、アプリケーションからの音声が「kuwatec Audio Loopback」に出力されるようになります。
また、その時点でのデフォルト(既定)の出力装置を、ループバックされた音声の出力に使用します。

この状態では、システムが提供する音量コントロール(メニューバーから使用できるスライダー)は、「kuwatec Audio Loopback」の出力を制御します。
そのため、録音の音量制御としても機能します。
(必要に応じて、「本来の」デフォルト(既定)の出力装置の音量など、他の部分の音量は、「ユーティリティー」フォルダー内の「Audio MIDI 設定」アプリケーションで調節できます)

「動画設定」ー「音声も記録」を非選択にすると、「本来の」デフォルト(既定)の出力装置を復元します。

参考
「kuwatec Audio Loopback」は、起動ボリュームの:
  • OS X 10.8 以前の場合
    /System/Library/Extensions フォルダ内
  • OS X 10.9 以降の場合
    /Library/Extensions フォルダ内
に、「kuwatecAudioLoopback.kext」としてインストールされます。
不要であれば、削除して下さい。
インストール時および削除時には、管理者パスワードが必要です。

「kuwatec Audio Loopback」がインストールされていても、音声装置として明示的に使用しなければ、他の用途に影響ありません。

音声が「kuwatec Audio Loopback」を経由することによる音質の劣化はありませんが、数十 mS 程度の遅れが付加されます。


Mac OSX 10.7 以降

上記の「Mac OSX」の方法で行えます。
別の方法として、システムの「複数出力装置」機能を利用して、通常の音声出力と「kuwatec Audio Loopback」に、同じ音声を出力することができます。
「複数出力装置」を設定するには、「ユーティリティー」フォルダー内の「Audio MIDI 設定」アプリケーションを使用します。



「複数出力装置」に「kuwatec Audio Loopback」を含め、それをデフォルト(既定)の出力装置とします。

本アプリケーションは、デフォルト(既定)の出力装置に「kuwatec Audio Loopback」が含まれている場合、そのまま出力装置として使用します。
(録音には、「kuwatec Audio Loopback」を使用します)



この状態では、システムが提供する音量コントロール(メニューバーから使用できるスライダー)は使用できません。
各部の音量は、「Audio MIDI 設定」アプリケーションで調節できます。